アルマイトとは、アルミニウムへ酸化被膜を
人工的に作る処理のことです。
1円玉(アルミニウム)の腐食が進みにくいのは、「アルミニウムが空気と結びつきやすく、
薄い酸化被膜を作る」からです。
この自然にできる酸化被膜がある為、アルミニウムは錆びにくいというイメージがあります。
しかし、自然にできる酸化被膜は白っぽく被膜が薄い為に、傷が付いたり、環境によっては
腐食が進行します。そこで必要となるのが、人工的に分厚い無色の酸化被膜を生成する
アルマイト処理です。
アルマイトのメカニズム
- アルマイトしたい製品を治具に取り付けます。
- 製品が取り付けられた治具に陽極(プラス)の電流を流します。
- アルマイト被膜が生成されます。
アルマイトのメリット
カラーアルマイトとは?
カラーアルマイトは塗装ではなく、布を染めるようにアルミへ染色します。アルマイト直後の被膜は電位を持ち、電気的化学的に活性な状態で、人に例えると、静電気を帯びていてホコリや汚れが服に付着しやすい状態とイメージしてください。
人工的に分厚くしたアルマイト被膜には「孔」ができていて、そこに電位の力を利用して染色します。
アルマイトとメッキの違い
メッキは素地の金属と異なる金属が重なり合って表面を覆っています。
それに対し、アルマイトはアルミそのものにアルマイト被膜が入り込んでいます。
アルマイトの前処理
アルマイトで光沢を出す際に行う前処理として、
「電解研磨」と「化学研磨」があります。
1電解研磨
電解液に浸漬し、電流を流して金属表面を溶解させることで平滑な面とする方法です。電流を流している間は、研磨され続けます。
2化学研磨
化学薬品に浸漬し、金属表面の凸凹を溶かして平滑にする方法です。処理が進むにつれ、溶解の具合が変わるため、長時間の処理ができません。
※上記から、化学研磨の時間は限られている為、電解研磨の方が「光沢は勝る」ことが分かります。
電解研磨の技術
電解研磨を行うには、六価クロムが必要でしたが、環境上の規制で六価クロムの使用が禁止されました。弊社で加工するアルマイト前処理は六価クロムを使用しない、クロムフリーの電解研磨であり、環境にやさしく強い光沢を出すことができる新技術アルマイトです。