創業以来、トライ&エラーを繰り返しながら常に新しい技術にチャレンジし、常識や概念をくつがえす製品を生み出してきました。
その結果、アイエスエー製品は極限の性能を求めるレースシーンにおいて絶大な信頼を得ており、motoGPを筆頭に数多くのファクトリーチームへの納入実績があり、導入チームも増え続けております。そのパフォーマンスとクオリティーは幾多の勝利に貢献し、その技術を惜しみなく製品にフィードバック、今なお進化し続けています。
自社工場で一貫して生産されるアイエスエー製品は、作り手の「魂」が込められています。
その仕上がりは現代における工芸品と呼ぶにふさわしく、その“匠の技”はアイエスエー製品を手にしたライダーにきっと感じ取ってもらえるはずです。
スプロケットこそアイエスエー自らが培った設計技術、加工技術、仕上げ技術をフルに投入し、
「世界最高の製品を造ろう」という意志を具現化した、工業製品の枠を超えた「匠の逸品」です。
アイエスエーが生み出すスプロケットにはデザイン、色、手触りなど、他ブランドにはない特徴を感じ取ってもらえるはずです。これらはいずれも一般の機械部品としてではなく、モーターサイクル用スプロケットにアイエスエー自らが課した、過酷ともいえる基準を満たした結果なのです。
アイエスエーはオートバイ用のスプロケットに必要な性能を「精度・強度・耐摩耗性」の3つと捉え、それぞれに最適の、そしておそらく量産できる最高水準の加工技術・材料・処理方法を採用しています。一般的には消耗品としてとらえられ、ありふれた機械部品のスプロケット。その常識をくつがえすハイクオリティ、かつハイパフォーマンスなアイエスエーのスプロケットは走りを変える高性能パーツです。
量産品世界初の製法による
「超高精度」
ドライブスプロケットにおいて究極の精度を出すには「歯形まで削り出す」マシニング加工が最良の方法です。しかし素材の堅さ、加工の難しさ、それにともなうコストの問題で量産ではこの製法を採用するメーカーはありませんでした。アイエスエーはドライブスプロケットの生産を開始するにあたり、究極のドライブスプロケット完成を目標とし、これらの諸問題をクリア。本質的に精度が低下する要因を持たないため測定限界に迫る真円度の高さを実現しました。
特注部材による「高強度」
強度と耐摩耗性に優れ、加工の際のゆがみを極小にできる特注のSCM調質材(クロモリ)を使用。この特注の部材があってこそ歯形まで削り出すマシニング加工が可能となります。
焼き入れ+ショットピーニングで無類の耐摩耗性
どんなに上質な素材と加工方法でも表面処理がおろそかでは意味がありません。加工が完了したドライブスプロケットは浸炭焼き入れを施し、表面硬度を高めつつ、ねばりを残しています。さらにショットピーニングによる仕上げを行い、最高の耐摩耗性と美しさを実現しました。
特注部材による「強度」
アイエスエーは特注の部材を使用しています。
部材の種類は「A7075-T6」、別名「超々ジュラルミン」と呼ばれるこの部材は、アルミスプロケットでは一般的なものです。しかしアイエスエーはさらに一歩踏み込み、素材メーカーの協力を得て通常のラインナップにはない厚みのフラットな特注の部材を使用しています。
測定限界に迫る「高精度」
アイエスエーは独自の同芯加工で真円に限りなく近い回転を実現しています。
スプロケットにおけるマシニング加工においてアイエスエーが最も重要ととらえているのは、センター穴とボルト穴の位置と穴径です。円周の歯形がどんなに精密でも取り付け部分がズレて、かたよって回転すれば意味がありません。
チェーン調整の際、遊びが不均衡な場合、スプロケットの偏芯が原因のケースがあります。アイエスエーは切削工程を連続させることで、個々の加工精度だけでなく、それらの相互間の寸法精度を飛躍的に高めています。合わせてセンター穴とボルト穴の公差を極限まで小さくし、真円度を測定限界に迫るレベルまで高めています。
高速で回転するスプロケットをいかにズレなく真円で回すこと。この当たり前のことを追求しつつ、美しいデザインにもこだわっています。
アルミスプロケットの常識をくつがえす「耐摩耗性」
アイエスエーのアルミスプロケットは数あるブランド製品と比べ圧倒的な耐摩耗性を実現しています。
それは精度の高さと合わせて表面処理(硬質アルマイト)が決め手です。アイエスエーが採用するダイアノ処理とは、「ダイアモンド」のように固い「アルマイト」という意味で創った造語。航空産業や軍需産業や航空機関連の規格をクリアし、一般的なアルマイトと比べ20倍の硬度を持ちます。50ミクロン厚の被膜が耐摩耗性を飛躍的に高め、さらに摩擦係数が非常に低く「滑りが良い」という特徴を併せ持ちます。アルミなのに持ちの良くフリクションロスが低いスプロケットです。
また、オフロード用には「泥はけ溝」を追加加工。おもに泥の噛みこみ防止や排出を狙っています。
特にマディ時のチェーン外れや、過度のチェーン張りなどのトラブル低減に効果的です。
これまで以上に程良いしなりを得られることで、操縦安定性を損なうことなく路面からのキックバックを低減。レースでのアドバンテージはもとより、エンデューロやロングツーリングではライダーの疲労軽減に寄与します。
変形強度が高く転倒の際曲がりにくいだけでなく、適度にたわむことで衝撃を吸収する。ライダーへ伝わる微振動を抑制し、疲労を低減。
一般的なテーパーハンドルの肉厚は4〜5mm。アイエスエー・アルミテーパーハンドルのクランプ部は4mm厚、グリップ部分からテーパー状に肉厚を落とし、バーエンドでは3mmまたは2.5mm厚としています。
軽量なアルミ合金の中でも最高クラスの強度を持ち、航空機材料としても使用されるA7050を採用。高剛性と軽量性を兼ね備え、ハンドルバーに最適な素材。
材料品番 | 特 徴 |
---|---|
A7050 | A7075の焼き入れ性を改善し、耐応力腐食割れ性を強化。 |
A7075 | アルミ合金中最高クラスの強度を誇るが、耐食性は劣る。 |
A2014 | Cuを多く含むため耐食性は劣るが、高強度で鍛造品にも適用。 |
A6063 | 強度は低いが押し出し性に優れ、サッシ材料として知られる。 |
他社製品では類を見ないグリップ部の肉厚をテーパー状に薄くする加工で、より一層の軽量化とともにこれまで以上の適度なしなりを実現。
1500N×30万回の厳しい負荷テストをクリア。一般的な製品では破断するような負荷を耐え抜く強度、耐久性を実現。国際A級モトクロスライダー数名による実走テストを実施し高品質、安全性を実証。
テスト項目 | 目 標 | 結 果 |
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押し込み荷重テスト | 目 標破壊荷重4,000N以上破損、亀裂、変形なし | 結 果5,490N時の戻り歪み3.3mm |
疲労耐久テスト | 目 標1,500Nを30万回荷重 | 結 果破損、亀裂、変形なし |
クランプ滑りテスト | 目 標すべり荷重3,000N以上 | 結 果締付トルク22N-mで3,680N |
荷重テストで他社製品では4000N強で曲がりの発生を確認、これより「4500N以下で変形しないこと」を目標とし、同時に「しなり」の確認もおこなった。 結果として、変形強度に対して基準をクリア、また一番のこだわりである「しなり」については初期は低荷重でたわみ、高荷重に対して踏ん張る漸増的特性を確認した。 これら一連の強度テストにて高い変形強度と良好なクッション性が備わっていることを確認した
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